「早く大人になりたい」と、娘は言った

2026年08月10日配信

2026年7月28日、渋谷。

私たちが取り組んでいる「豈(やまと)プロジェクト」の公演でした。
宮地にとっては、29回目の公演。
渋谷での公演は、4回目です。

公演を終えたあと、宮地が、こんな話を聞かせてくれました。

プロではない、私たち

まず、宮地はこう切り出しました。

「僕たちはプロではないので、技術の上手さで何かを伝えるっていうことは、なかなか難しいんですよね」

プロの和太鼓奏者ではありません。
音を極めた職人ではありません。
技術の上手さで、勝負しているのではない。

では、何を届けているのか。

命を、燃やしていく

宮地は、続けます。

「日々学んでることとか、ヒーローズ全体でやってきたこと、思いを合わせてやっていく。
そこに対して命を燃やしていく。そういうところに、感動してくださることが多いんです」

公演後、たくさんのメッセージが届きました。

「感動して涙を流しました」
「思いが伝わってきました」
「また来年も観たいです」

普段の営業活動だけでは、伝わらないもの。
和太鼓の音、振動。
そういうものを通じて、何かが伝わっていた。

8歳の娘の、ひとこと

その日、宮地の娘さん(8歳)も、公演を観に来てくれていました。

帰ってから、娘さんが、こう言ったそうです。

「早く大人になりたい」

その一言に、宮地は、はっとしたと言います。

「実は自分が学生だった頃、就活したくなかったんです。大人になるって、なんだか牢屋に入るような感じがして」

言われたことをやるだけ。生活のために働く。
何のために働くのか、決まっていない。
そんな大人の姿を、当時の宮地は見ていました。

でも、自分の娘は違いました。

「大人たちがめっちゃ楽しくやってる。涙あり、笑いあり。本気でやっている。その姿を見て、早く大人になりたいって言ってくれた」

そう言って、宮地は、少しはにかんだような表情を浮かべました。

ともに行動する仲間が増える。

公演を通じて、新しい仲間も増えてきました。

一緒にやっていこう、という企業さん。
一緒に、健康のためにお米を買いましょうという、社長さん。

太鼓を叩くわけではありません。
でも、一緒に何かを始めたい、という気持ちが繋がっていく。

そういう繋がりが、少しずつ、少しずつ、増えている。

地道な、積み重ね

宮地は、最後に、こう締めくくりました。

「本当に地道な積み重ねが、自分の地域を良くしていく、会社を良くしていく。それに繋がっていくんだなってことを、すごく体験させていただきました」

派手なことは、ありません。
華やかな瞬間の裏で、私たちがやっているのは、地道な積み重ねだけです。

練習を重ねる。
思いを合わせる。
命を燃やす。
そして、また練習する。

その繰り返しが、いつか、誰かの心に届く。

大人が、本気で

「早く大人になりたい」

娘さんの言葉を、私たちも、大切にしたいと思いました。

大人が、本気で楽しんでいる姿を見せる。
大人が、命を燃やして何かに取り組んでいる姿を見せる。
それが、次の世代への、一番の贈り物なのかもしれません。

早く大人になりたいと、誰かが思ってくれる、その一瞬のために。

執筆:山崎文栄堂 宮地宏彰 / 編集:角川英治(株式会社フブキ)