ある一つの検索から、始まった - 庭が生まれるまで⑴ -

2026年07月18日配信

2026年、春先のこと。

櫻井は、ある一つの言葉を検索していました。

山崎文栄堂は、創業105年。
アスクル代理店として、45,000事業所のお客様と、日々お付き合いさせていただいている会社です。

けれど、その私たちが、
私たち自身のことを、社会に伝える場所を、まだ持っていなかった。

SNSも、ブログも、途切れがちだった

正確に言えば、発信していなかったわけではありません。

ホームページはある。
ときどきブログも書いている。
メルマガも、13,000人の方に届けている。

けれど、それらは、どこか散らばっていました。

誰に、何を、なぜ伝えたいのか。
そこを言葉にできないまま、日々の忙しさに追われて、更新は途切れがちでした。

アスクルランサムウェアの朝

きっかけの一つは、2025年10月のことです。

アスクルのシステムが、ランサムウェアに感染しました。
私たち山崎文栄堂も、本業に大きな影響を受けました。

その時、初めて実感したことがありました。

情報を、自分たちの手で持っていない怖さ。
そして、AIの時代が、もう始まっていること。

社長も、櫻井も、宮地も、
「このままでは、いけない」と、それぞれ感じていました。

私たちらしく、発信するとは

ただ、SNS運用を強化するとか、
ブログを毎日更新するとか、
そういう「よくあるやり方」を、私たちはやりたくありませんでした。

山崎文栄堂は、30年間、飛び込み営業もテレアポもやらず、
お客様と一社ずつ深くお付き合いしてきた会社です。

売り込むための発信。
数字を追うための発信。
それは、私たちらしくない。

でも、じゃあ「私たちらしい発信」って、何だろう。

そこが、櫻井の中で、ずっと答えの出ない問いでした。

ある朝、検索窓に打ち込んだ言葉

2026年の早春。

櫻井は、ある朝、検索窓に、いくつかの言葉を打ち込んでいました。

「中小企業 メディア 伴走」
「経営者 発信 サポート」
「オウンドメディア コンサル」

たくさんの会社が、出てきました。

数字を保証するところ。
SEOに強いところ。
SNS運用代行のところ。

どれも、優秀そうな会社でした。

けれど、櫻井の心に、なぜか引っかかりませんでした。

「一緒に考えてくれる人」

櫻井が、本当に探していたのは、
「やってくれる会社」ではなく、
「一緒に考えてくれる人」だったのだと、あとから気づきました。

売り上げを伸ばすための施策を、代わりに実行してくれる会社ではなく、
私たちが本当に伝えたいことを、私たちと一緒に見つけてくれる、そんな人。

検索を続けるうちに、ある一人の方のプロフィールに、目が止まりました。

株式会社フブキ。
山梨県、石和温泉に拠点を置く。

「あ、山の中でお仕事されているんだ」

なぜか、その一行が、櫻井には残りました。

最初のZoom

思い切って、連絡してみることにしました。

最初のZoomの日。

緊張しながら、山崎文栄堂のことを、お話ししました。
45,000事業所のお客様のこと。
社長のこと。
そして、うまく言葉にできない、私たちらしい発信をしたいという気持ちのこと。

画面の向こうで、その方は、静かに聞いてくださいました。

数字の話も、KPIの話も、施策の話も、出てきませんでした。

代わりに、こんな問いが返ってきました。

「櫻井さんは、山崎文栄堂の、何が一番好きですか?」

その問いに、櫻井は、すぐには答えられませんでした。

ここから、始まった

「ファイリングの庭」という名前が生まれるまで、
あの日から、4ヶ月かかりました。

10案の候補を持ち寄る朝も、
「大調和」という言葉に出会う朝も、
まだ、この時の櫻井は、知らないままでした。

ただ、一つだけ、確かなことがありました。

あの朝、検索窓に打ち込んだ言葉から、
この庭は、始まったのです。

執筆:山崎文栄堂 櫻井友子 / 編集:角川英治(株式会社フブキ)